遺言公正証書の作成手数料について
✿ 遺言公正証書の作成手数料について ✿
遺言公正証書を作成する場合の費用は、公証人手数料令に定められた証書の作成手数料とその他の費用です。公証人手数料令の一覧表は下記の通りですが、遺言の場合について説明しましょう。
証書の作成手数料は、遺産の額(債務等の消極財産は考慮しません)により、後記「公証人手数料」の公正証書の作成欄の手数料額となります。その遺言により相続する人や遺贈を受ける人・団体等が複数の場合は、それぞれごとにその手数料額を計算します。祭祀承継者を定めた場合は、これも一つの行為として、1万1000円が必要となります。
公正証書の枚数が4枚を超えたときは、枚数加算手数料として超えた分1枚につき250円が加算されます。
遺産の総額が1億円までの場合は、上記で算出された手数料額に1万1000円の遺言加算手数料が加算されます。
通常は、遺言公正証書の正本と謄本各1通を作成して交付しますので、その各通につき1枚250円の手数料が必要となります。
病気等で公証人役場に出頭できない人の場合に公証人が自宅や病院に出向いて作る際には、病床執務加算手数料が必要となり、上記の証書の作成手数料にその半額が加算されます。
公証人役場外に出向いて作成する場合には、日当1万円(4時間以内の場合)と交通費の実費が必要となります。
例1-A 甲野太郎さん 資産 不動産の評価額:500万円
預貯金:300万円
公証人役場内で作成する場合
① 妻に不動産全部(500万円)と預貯金の1/3(100万円)
② 長男に預貯金の2/3(200万円)
基本手数料 ① 目的の価額 6,000,000円 ⇒ 手数料 17,000円
② 同 2,000,000円 ⇒ 同 7,000円
遺言加算 11,000円(目的の価額の総額が1億円以下の場合に加算)
正謄本費用 正本4枚 1,000円、謄本4枚 1,000円とする(枚数は場合によって変わります)
上記合計 37,000円
例1-B 上記甲野太郎さんで、同じ内容のものを出張で作成する場合
基本手数料 ① 目的の価額 6,000,000円 ⇒ 手数料 17,000円
② 同 2,000,000円 ⇒ 同 7,000円
遺言加算 11,000円(目的の価額の総額が1億円以下の場合に加算)
病床執務加算 ① 8,500円 ② 3,500円 (それぞれ基本手数料の半額)
出張日当 10,000円 (4時間以内)
正謄本費用 正本4枚 1,000円、謄本4枚 1,000円とする(枚数は場合によって変わります)
上記合計 59,000円 + 交通費実費
例2 乙野二郎さん 資産 不動産Aの評価額:5000万円、
不動産Bの評価額:3500万円、
預貯金:2000万円
公証人役場内で作成する場合
① 長男に不動産A(5000万円)、預貯金の1/2(1000万円)
② 二男に不動産B(3500万円)、預貯金の1/2(1000万円)
③ 祭祀主宰者の指定
基本手数料 ① 目的の価額 60,000,000円 ⇒ 手数料 43,000円
② 同 45,000,000円 ⇒ 同 29,000円
③ 同 (算定不能) ⇒ 同 11,000円
正謄本費用 正本5枚 1,250円、謄本5枚 1,250円とする(枚数は場合によって変わります)
上記合計 85,500円